2018/05/16
[章]01 [タイトル]感冒 感冒→風邪(カゼ) [主症状] 鼻水、鼻づまり、くしゃみ咳嗽、頭痛、悪寒、発熱、全身の不快感など 時病→疫毒 天気激変 体調不良 [弁証] 正気 の虚実で判断する 足 ：実証 不足 ：本虚表実[実証の場合] 邪気の判別 1.悪寒発熱 風寒(悪寒が強い)/風熱(発熱が強い) 2.分泌物、排泄物 ：鼻汁、痰、苔、尿 ・風寒：白、稀、多、きれい ・風熱：黄、濃、少 ・風湿：多、濃、汚 ・風燥：少、乾 [初期の症状] 風寒：脈浮緊 悪寒＋、発熱±、頭痛、筋肉痛 分泌物は上記参照 風熱：脈浮数 悪寒±、発熱＋、面赤、咽赤 分泌物は上記参照 [初期の治療、方剤] 風寒←辛温解表：荊防敗毒散、麻黄湯、葛根湯、桂枝湯 風熱←辛涼解表：銀翹散、桑菊飲、辛夷清肺湯、桔梗湯 無汗 ← 麻黄湯 ：解表(麻黄、桂枝)、肺の宣発up(麻黄、杏仁) 有汗 ← 桂枝湯 ：養陰(桂枝、芍薬)、補陽気(桂枝、甘草) 無汗 ← 葛根湯 ：発表＋、止咳－、表証＋＋、肺－、太陽経 [悪化] → 入裏 → 肺熱↑(肺に入った) 表－ → 桂枝× ＋石膏 : 麻杏甘石湯 [湿の場合] 湿 暑湿 分泌物(多濃汚) 、発熱、津down、脱力感、悪心(気持ち悪い)、重い ：新加香薷飲、六一散 風寒湿 分泌物(多濃汚) 、脈浮緊、痛、重 ：羌活勝湿湯 [悪化] 暑湿 →＋→ 熱中症(中暑) 四大証(大熱、大汗、大渇、脈洪大)、赤、陽明病(胃に入った) ： 白虎湯(日本では白虎加人参湯) ※スタート(暑湿邪)が異なっても、ゴール(陽明病)が一緒であれば使う方剤は同じ。それは弁証法の違いによりスタートが異なることがある。 [燥の場合] 燥 温燥 分泌物(少乾) ： 桑杏湯 涼燥 分泌物(少乾) ： 杏蘇散[虚証の場合] ・気虚＋感冒 ：脱力感、舌胖大、脈弱 ・陽虚＋感冒 ：気虚 ＋ 手足の冷え、舌歯痕、脈弱遅 ・血虚＋感冒 ：光沢down、舌小淡、脈細 ・陰虚＋感冒 ：頬赤、舌小赤、脈細数 [治法] 瀉(解表)＋補法(補気/助陽/養血/滋陰) ※養血・滋陰は粘膩が多い：解表薬と相性が悪い ※本来は風邪の初期に補法× ∵邪気を留めてしまうから [気虚]桂枝湯 桂枝＋芍薬→陰up┬ 気虚続くなら → ＋補気 → 六君子湯、補中益気湯 桂枝＋甘草→陽up┘ 参蘇飲 [陽虚]基本 附子(温裏) ＋ 麻黄(温表) ※cf.細辛(温表裏) →麻黄附子細辛湯 [血虚]葱白七味飲 [陰虚]滋陰解表：加減葳蕤湯2018/05/30
[章]02 [タイトル]咳嗽 咳：音あり、痰なし 嗽：音なし、痰あり ※：通常、痰と音は同時にみられる→咳嗽とまとめる [病機] 肺 → 宣発・粛降 × → 咳 ・肺 ← 外邪(寒、熱、燥) ・肺 ← 肺陰虚 ・肺 ← 肝火上炎 ← 肝気鬱結 ・肺 ← 痰・痰熱 ← ※ ※肺 ← 痰 ← ← 脾虚生痰 ※肺 ← 熱痰 ← 痰 ←┘ [弁証] 外邪 の有無で判断する 有り 無し ：臓腑機能障害[外邪ありの場合] 外邪(寒、熱、燥) ・寒 ：風寒襲肺 ：三拗湯(麻黄湯から発汗の桂枝を抜く)、止嗽散 ・熱 ：風熱犯肺 ：桑菊飲 ・燥 ：風燥傷肺 ：桑杏湯、杏蘇散 ※感冒の風燥と同じ ※黄色下線の3文字目に意味はない→どの文字でもOK[外邪なしの場合] ※臓腑の機能障害 ・脾虚 → 脾虚生痰 ・痰湿蘊肺 ：二陳湯、三子養親湯 ・痰熱鬱肺 ：清金化痰湯 ・肝気鬱結 → 肝火上炎 ：瀉白散 合 黛蛤散 ・肺陰虚 ・肺陰虧耗 ：沙参麦門冬＋百合[章]03 [タイトル]肺痿 ※実証はない 肺の萎弱：萎縮して機能しなくなること → COPD(慢性閉塞性呼吸器疾患)、気胸の術後 など [主症状] 咳吐涎沫 ※昔は肺活量の低下などは計れなかった [弁証] ※実証なし虚証 ・寒 ：肺気虚冷 ：甘草乾姜湯、生姜甘草湯 ・熱 ：肺燥津傷 ：麦門冬湯、清燥救肺湯[章]04 [タイトル]肺癰 肺膿瘍 [要薬] 肺癰の要薬 ：桔梗、甘草 [特徴] 外熱内痰 [弁証] ※ステージで分類・初期 ：風熱表証 ：銀翹散 ・成癰期 ：壮熱 ：千金葦茎湯、如金解毒散 ・潰癰期 ：多量の膿血痰 ：加味桔梗湯 ・回復期 ：順p.80 ：沙参清肺湯、桔梗杏仁煎[章]05 [タイトル]哮証 呼吸困難、音あり → アレルギー性喘息 ※cf.喘証：呼吸困難、音なし 呼気時が辛い [弁証] 発作期と緩解期に分類する ・発作期：更に寒熱に分類 ・緩解期：更に肺脾腎の虚に分類する[発作期] ・寒：寒哮 ：寒邪or陽虚 ：射干麻黄湯、小青竜湯 ・熱：熱哮 ：熱邪or陰虚 ：定喘湯[緩解期] ・肺虚 ：黄耆を中心に 玉屏風散、生脈散 ・脾虚 ：人参を中心に 六君子湯 ・腎虚 ：更に陰陽の虚に分類 ・腎陰虚 ：都気丸 ※六味丸＋五味子 ・腎陽虚 ：八味丸2018/06/06
[章]06 [タイトル]喘証 呼吸困難、音なし [病機] 肺 → 宣発・粛降 × → 呼吸困難 [弁証] 虚実：実喘と虚喘に分類する実喘 －肺 ・寒①→裏熱② ・熱△ △＋③→痰熱④ ・食事－脾－痰③ ・七情－肝鬱⑤ ① 風寒＋喘：麻黄湯、痰が多ければ小青竜湯 ② ①→裏熱：麻杏甘石湯 ③ 痰濁 ：二陳湯＋三子養親湯 やや重症 ※咳嗽の痰湿蘊肺は二陳湯or三子養親湯 やや軽症 ④ 痰熱 ：桑白皮湯 ※五虎湯は除痰が弱い ⑤ 肝鬱 ：五磨飲子 ※化火まではいっていない虚喘 －肺⑥ －腎⑦ ⑥ 肺虚：黄耆、五味子 ： 生脈散 合 補肺湯 ⑦ 腎虚：五味子 ： 七味都気丸 →外感を受けて喘「上実下虚(上：肺、下：腎)」：蘇子降気湯[章]07 [タイトル]肺脹 [病機]西洋：肺痿と同じく肺疾患の末期：大肺胞、低酸素状態 肺 －毛細血管面積↓ －血流↓ →血管抵抗↑ →肺高血圧症 →呼吸困難、胸が丸くなる －肝臓を圧迫 →経静脈怒張、門脈圧↑、肝血流↓、腫、痛、痔、脾・脹の血流 －脾・腸の血流↓ →食少、下痢 →＋悪化すると→心神の異常 →＋悪化→DIC,LPS →＋悪化→死東洋：咳、哮、喘、肺結核→進行 ・肺気↓ →換気× →胸悶 →神× ・痰飲溜まる →水泡痰(血が混じる) ・肺高血圧 →瘀血(頸動脈怒張など) →腎 →血尿 →腹部静脈圧↑ →腸管絨毛↓ →食少、消化管出血 →腹水[弁証] 肺の疾患＋外邪 ※ステージで分類 1 →熱化→ 2 → 3 → 4 3 → 5 → 61.痰濁壅肺 肺 － 痰・気 たまる → 呼吸困難、外邪なし 、肺気虚の症状、脾気虚の症状 2.痰熱鬱肺 外邪あり → もともと咳喘＋風熱 → 症状～～～ 3.痰瘀阻肺 4.痰蒙心竅 5.肺腎気虚 6.陽虚水氾 ※多臓器不全を考えるステージ [処方] 1：痰濁 ：蘇子降気湯、三子養親湯、六君子湯 2：痰熱 ：越婢加半夏湯、桑白皮湯 ※熱に半夏？(風寒の外邪が残っている) 3：痰瘀 ：葶藶大棗瀉肺湯 ＋ 桂枝茯苓丸 4：痰蒙心竅 ：滌痰湯＋開竅剤(安宮牛黄丸、紫雪丹、至宝丹 など) 5：肺腎気虚 ：平喘固本湯、補肺湯 6：陽虚むくみ ：真武湯＋五苓散 ※真武湯：腰が強く冷える人に使う[章]08 [タイトル]肺癆 癆虫による病気→肺結核 ※癆虫→結核菌 ※first choice：抗生剤 癆→陰虚 肺癆→肺陰虚 ※陰虚なので痰は吐かない [弁証] ※ステージ？1.肺陰虚 ：陰虚の症状 ：月華丸 2.陰虚火旺 ：陰虚症状＋火症状 ：百合固金丸 3.気陰両虚 ：陰虚症状＋気虚症状 ：保真湯 4.陰陽両虚 ：両虚症状 ：補天大造丸2018/06/13
[章]09 [タイトル]痰飲 痰飲(広義)：溜まる場所により病氣が異なる 痰飲(狭義) ：胃腸 →全身 懸飲 ：胸膜(胸水) 溢飲 ：皮膚、筋肉 表 支飲 ：肺(気管支、肺胞) [弁証][痰飲](狭義) ・上部：脾胃 ：脾陽虚 →運化↓ →腹脹、食少、下痢 ※陽虚→冷え ＋痰飲(水が胃に溜まる) →上逆：きれいな水を吐く、口渇＋、飲水したくない ∵胃に水が有るので →＋悪化→(全身) 心悸(心)、めまい(脳) 、舌白滑 ：苓桂朮甘湯 ＋ 小半夏湯 ・下部：胃腸 ：飲が心下にパンパン、腸鳴↑ 腸の働き↓ →下痢／便秘 ：峻下剤：甘遂半夏湯or已椒藶黄湯→下痢→すぐ補う[懸飲](胸水) ※ステージで分類 1.邪犯胸肺 ：初期(表証なし) ：裏 －肺熱、悪寒なし …発汗しても解熱せず ∵表に邪がないので ：半表半裏 －往来寒熱、胸脇部痛(刺痛、動くと悪化) ∵胸膜炎なので ：和剤：柴枳半夏湯 2.飲停胸脇 ：はじめの状態(感染、Ca、Tb など)→表証・炎症はおさまった 痛↓、咳、痰、体動時の胸脇痛↓、呼吸困難↑、平臥不能 ：十棗湯or控涎丹 3.絡気不和 ：肺と胸膜の癒着 －呼吸時痛、呼吸困難↓、胸水－、慢性化 ：理気薬：香附旋覆花湯 4.陰虚内熱 ：陰虚の症状＋肺の症状＋胸脇痛 ：沙参麦門冬湯or瀉白散[溢飲](皮膚、筋、表) 風寒表証＋肺飲 ：小青竜湯、五皮飲(風寒表証がない場合)[支飲](肺内) ・哮証 (肺脾腎→痰飲←外邪) ・寒飲伏肺 ：痰飲 … 寒↑ ：表証＋呼吸困難、痰多 →緩解→ 発作「外寒内飲」 ：小青竜湯 ・脾腎陽虚 ：肺性心：心悸、咳、呼吸↓、ピンク痰、泡沫状痰、レントゲン蝶形(心原性肺不全) 陽虚症状＋脾陽虚症状＋腎陽虚症状＋支飲 ：金匱腎気丸(八味丸) ＋ 苓桂朮甘湯 ※苓桂朮甘湯：五苓散や猪苓湯などでも代用可[章]10 [タイトル]汗証 汗証：自汗、盗汗 [病機]陰 ＋ 熱(陽) → 汗 ├ 虚熱 － 盗汗 └ 実熱 － 汗(普通の汗) 衛気虚 － 自汗清気－肺┬宗気┬外：衛気 ←外邪 ※外邪→衛気 ：防風 ※衛気：黄耆 水穀－脾┘ └内：営気 ※脾：白朮陰虚の盗汗は何故？ 衛気 昼 体外25週 夜 体内25週 → 体表衛気不足 ＋ 陰虚の内熱 → 盗汗[弁証]・肺衛不固 ：玉屏風散 (OTC：衛益顆粒) ・営衛不和 ：表虚＋風(寒)邪 ：桂枝湯 酸甘化陰：芍薬＋甘草：営気 辛甘化陽：桂枝＋甘草：衛気 ・陰虚火旺 ：当帰六黄湯 ・邪熱鬱蒸 ：※邪熱：湿熱 ：竜胆瀉肝湯 ※止汗の作用はほぼない ・心血不足(第6版) ：帰脾湯2018/06/20
[章]11 [タイトル]血証 血証：出血証 ※衄血(じくけつ)：出血の意 衄血－筋衄(皮膚)、眼衄、耳衄、鼻衄、歯衄、舌衄 [病機] 熱 ┬ 実 ┬ 外熱 → 肺熱 → 出血 → 咳血、皮下出血 ├ 肝気 → 肝火 ┬→ 咳血、鼻血 └→ 吐血 └ 辛、酒 → 胃腸 ┬→ 吐血、歯衄 └ 虚 － 咳血、歯衄、尿血 ※虚は臓腑がはっきりしない 気虚－脾↓－吐血、便血、尿血、皮下出血 [弁証] 出血を見る時は①部位、②臓腑、③虚実の順で[鼻衄] １．肺熱 ┐ ┌ 表証 － 清肺 － 涼血止血 ：桑菊飲(外邪あり)、瀉白散(外邪なし) ２．胃熱 ┼ 鼻衄、急性 ┼ 胃熱 － 清胃 － 涼血止血 ：玉女煎 ３．肝火 ┘ └ 肝鬱、肝火 － 清肝 － 涼血止血 ：竜胆瀉肝湯 ４．気血虚－ 鼻衄、慢性 － 気虚、血虚 ：帰脾湯[歯衄] １．胃火 － 実→胃 － 歯肉(赤腫) ：加味清胃散 ＋ 瀉心湯 ２．陰虚 － 虚→腎 － 歯肉(暗萎) ：滋水清肝飲 ＋ 茜根散[咳血] １．燥熱傷肺 → 傷津：乾燥(鼻唇喉) ：桑杏湯 ※燥＝外燥 内燥だと３ ┬ 悪寒があっても良い ※熱は内or外 ┘ ２．肝火犯肺 － 陳発性咳 ：瀉白散 ＋ 黛蛤散 ３．陰虚肺熱 － 咳、痰少 ：百合固金丸[吐血] １．胃熱 ：瀉心湯 ＋ 十灰散 ２．肝火犯胃 ：竜胆瀉肝湯 ３．気虚 ：帰脾湯[便血] 《金匱要略》に「近血、遠血」の記載あり ※近血：鮮血：小腸、胃 ※便の前 ※遠血：紫暗：直腸、肛門 １．腸道湿熱 → 近血 ：地楡 ： 地楡散、槐角散 ※腸道＝大腸 ２．脾胃虚寒 → 遠血が多い ：黄土(伏竜肝) ： 黄土湯[尿血] 熱 ┬ 実：下焦熱盛 ：小薊飲子、導赤散(心熱あり) └ 虚：腎虚火旺 ：知柏地黄丸 虚 ┬ 脾：脾不統血 ：帰脾湯 └ 腎：腎気不固 ：無比山薬丸六味丸 →熱＋→ ┬上→ ：杞菊地黄丸 └下→ ：知柏地黄丸 六味丸 →冷＋→ ：八味丸 →尿→ ：牛車腎気丸[紫斑](筋衄) １．血熱 ：犀角地黄湯 ※衛気営血弁証の営分証or血分証で皮下出血 ２．陰虚火旺 ：茜根散 ３．気不摂血 ：帰脾湯[章]12 [タイトル]心悸 ※驚悸と怔忡がある [病機] 実 寒 ┐ 二次的病因 気滞 ┼ 瘀血、痰飲 飲食 ┘ 虚 4つ [弁証]１．心虚胆怯：虚 心胆 ビックリしやすい、怔忡 ：安神定志丸 ２．心血不足：虚 心血 ：帰脾湯 ３．陰虚火旺：虚 陰→火 ：天王補心丹or朱砂安神丸 ※１～３は症状：不眠＋動悸 ４．心陽不振：虚 心陽 ：桂枝 ：桂枝甘草竜骨牡蛎湯 ５．水飲凌心：水飲 ：苓桂朮甘湯 ６．心血瘀阻：瘀血 ：桃仁紅花湯or血府逐瘀湯2018/06/27
[章]13 [タイトル]胸痺 （ここでは）虚血性心疾患 ※冠動脈 [病機] ・血管の攣縮←気滞←ストレス ・高脂血症 ←飲食 － 脾 →悪化→ 痰飲 ・11月にピーク ・・・ 寒邪 → 血管の収引 └→関連→ 陽虚 ↑ ・加齢 ・・・ 腎虚 ┬－－－┘ └→ 陰虚 － 血管内水分↓ － 還流量↓ [弁証]１．心血瘀阻：瘀血（＋気鬱） ：血府逐瘀湯 ※四逆散を含む ２．痰濁壅塞：痰濁 ：栝楼薤白半夏湯 ３．陰寒凝滞：陰寒 ：栝楼薤白白酒湯 ４．心腎陰虚 ：左帰飲 ５．気陰両虚 ：生脈散 ＋ 人参養栄湯 ※人参養栄湯は症状により色々とかえる ６．陽気虚衰：心陽虚 ：附子 ：参附湯 ＋ 右帰飲[章]14 [タイトル]不寐 不眠症 ☆「陽盛陰虚」のときになりやすい cf.多眠 －「陰盛陽虚」 [病機] 神 ┬ 実 ┬ 肝気× → 肝火 ｜ └ 食滞 └ 虚 ┬ 気血虚 ← 脾気虚 ※脾気虚：慢性不眠を起こしやすい ├ 腎陰虚 → 心陰虚 → 虚熱 └ 心胆気虚 [弁証][実] １．肝鬱化火：肝火 ┬→ 脾：食↓ ：竜胆瀉肝湯、加味逍遥散でもOK ├→ 目赤、口苦、面赤、脈数 ├→ 神：不安、怒、不寐 └→ 水：尿黄、便秘、苔黄 ２．痰熱内擾：痰熱 → 中焦の気機↓ → 不寐 ┬ ：温胆湯 ＋ 黄連、山梔子 食滞 → 胃腸 － 痰 → 痰熱 ┘ [虚] １．陰虚火旺←腎陰虚 ：黄連阿膠湯、朱砂安神丸 ２．心脾両虚 ：帰脾湯 ３．心胆気虚 ：安神定志丸、酸棗仁湯 ４．心腎不交 ：交泰丸（黄連、肉桂） ※４はおまけの追加 腎陰↓ → 心陰↓ → 心陽↑ → 不眠[章]14_1 [タイトル]多寐 多眠症 ☆「陰盛陽虚」のときになりやすい cf.不眠 －「陽盛陰虚」 [病機]陰盛→湿 ：平胃散 陽虚→脾陽虚 ┬ 脾虚 ：六君子湯 └ 陽虚 ：理中湯[章]14_2 [タイトル]健忘 [病機、鑑別]・脳組織そのもの・・・腎 ┬→ 精↓ － 髄↓ ：腰膝酸軟 └→ 蔵精↓ － 滑精、早漏、流産 精↓ →┐ ┌→ 陰↓ ：六味丸 ├ 腎 ┼→ 陽↓ ：八味丸 蔵精↓ →┘ └→ 両虚 ：八味丸 ・血流・・・血虚 ┬ 水穀↓ － 脾気虚：食×、脹、元気↓、下痢 ：帰脾湯 └ ・・・・[章]15 [タイトル]厥証 突然昏倒 ┬ 癇証（肝脾腎） 人事不省 ┼ 中風（中臓腑） ┬ 脱 ｜ └ 閉 ┬ 陰閉 ｜ └ 陽閉 └ ＋四肢厥冷 → 厥証 ┬ 軽症 └ 重症 [病機] 突然の気機逆乱、昇降困難、気血運行異常 鍼灸なら ：人中、内関、足三里、三陰交、中衝、湧泉 [弁証][気厥] １．実証 － 怒、興奮 → 気機逆乱↑ ：五磨飲子 ２．虚証 － 緊張、恐驚、疼痛等の明らかな誘引がある ：四味回陽飲 → 香砂六君子湯（普段） [血厥] １．実証 － 気に従って血も上がる ：通瘀煎 ２．虚証 － 血が上がらない ：独参湯 → 人参栄養湯 [痰厥] ※虚なし １．実証 － 気とともに痰が上がり、つまる ：導痰湯 [食厥] ※虚なし １．実証 － 気とともに食が上がり、中焦につまり、気の昇降を妨げる ：塩湯探吐方（すごく濃い塩水） → 神朮散 ＋ 保和丸2018/07/04
[章]16 [タイトル]鬱証 情志不調 ← 気機鬱滞 病位：肝、脾、心 ※肝（胆） ※脾：痰 奇病は痰 [病機] ・実 肝 － 疏泄 → 気機× ┬→ 津液 → 痰飲 →┐ ├→ 血液 → 瘀血 ｜ ├→ 脾× ←－－－－－┘ ├→ 胃× └→ 月経 ・虚 [弁証][実] １．肝気鬱結 － 落ち込み中心 ：柴胡疏肝散 ２．気鬱化火 － イライラ ：丹梔逍遥散（加味逍遥散のこと） ３．気滞痰鬱 ：半夏厚朴湯 ※６版では痰気鬱結 [虚] １．憂鬱傷神 － 独語、反応↓、泣 ：甘麦大棗湯 ※６版では心神撹乱 ２．心脾両虚 ：帰脾湯 ３．陰虚火旺 － 腎陰↓ ┬ 心陰↓ → 心腎不交 ：交泰丸 └ 肝陰↓ → 肝陽上亢 ：滋水清肝飲[章]17 [タイトル]癲狂（てんきょう） 精神異常、精神疾患 ※癲：陰/虚 － 静かな状態、独語、筋が通らず、低声 ※狂：陽/実 － 騒がしい状態、躁動 病位：肝、胆、心、脾 [病機]４つ ・陰陽失調 ※ポイント ・痰気上逆 ・気血凝滞 ・七情内傷 [弁証] ※癲狂とも６版では証がもっと多い[癲] 痰 → 脾↓ → 運化↓ → 水穀精微↓ → 心脾両虚 １．痰気鬱結 ：順気導痰湯 ２．心脾両虚 ：養心湯（帰脾湯ベースの方剤） [狂] １．痰火上擾 ：生鉄落飲 ２．火盛傷陰 ：二陰煎（導赤散＋増液湯(生地黄、玄参、麦門冬)＋安神薬）[章]18 [タイトル]癇証 癇証 ＝ 日本語の「癲癇」 ※日本語の癲癇には癲的な要素（騒がしい）はない 病位：肝、脾、腎 [病機] ・七情失調 ・先天素因 ・脳部の外傷／内傷 瘀血 [弁証]１ ＋ 火 → ２ １．風痰阻絡 ：定癇丸 ※絡：経絡 ２．痰火内盛 ：竜胆瀉肝湯 ＋ 滌痰湯 ３．心腎虧虚 ：大補元煎、六君子湯（脾虚はないが・・・） （心血＆腎気）～～～～～ ↑↑↑↑↑ 精神疾患 ↑↑↑↑↑ ～～～～～ [章]19 [タイトル]胃痛 胃脘（部）痛 ※cf.２６章「腹痛」 [弁証] 虚実に分ける[実] １．寒邪客胃：寒 ：生姜、附子：良附丸 ２．飲食停滞：食滞 ：保和丸 ３．肝気犯胃：肝鬱→胃 ：柴胡疏肝散 ４．肝胃鬱熱：肝鬱→火 ：化肝煎（加味逍遥散に近い）、加味逍遥散でも良い ５．瘀血停滞：瘀血 ：失笑散 ＋ 丹参飲 （＋大黄） [虚] １．胃陰虧虚：陰虚 ：一貫煎（何故か肝陰虚の方剤） ＋ 芍薬甘草湯 ※増液湯(生地黄、玄参、麦門冬)のが良い ２．脾胃虚寒：陽虚 ：建中湯類 例として黄耆建中湯、小建中湯など[章]19_1 [タイトル]吐酸（呑酸） [病機] 肝鬱 → 肝火 → 胃熱（熱証）┬ 酸水が口に上がる ┬ 口苦、心煩、脈数 肝 → → → → 胃寒（寒証）┘ └ 腹脹、嘔気、嘔吐 [弁証]１．熱証 ：左金丸 ２．寒証 ：香砂六君子湯[章]19_2 [タイトル]嘈雑 （胃脘部の）胸焼け [弁証]１．胃熱 ：温胆湯 ２．胃虚 ：四君子湯 ３．血虚 ：帰脾湯[章]20 [タイトル]噎膈（いつかく） ※噎：「むせる、ふさがる」の意 食道ガン ※表実本虚 [病機]虚： 陰虚（津液） →悪化→ 陽虚 思 → 脾 →┬→ 気結 ┬→ 痰 怒 → 肝 →┤ └→ 瘀 酒・食 → →┘ステージ移行 １ →悪化→ ２ →悪化→ ３ →あとは何が虚すか→ ４ 内視鏡で見たとき １．一部にガンが見える ：飲食時に詰まる感じ、胸脘満悶 ２．全周性に見える ：固形物× ３．食道がほぼ詰まっている：水分×[弁証] ステージで分類１．痰気交阻 ：啓膈散 ※啓：ひらく ２．津虧熱結 ：五汁安中飲（単なる栄養ドリンク） ３．瘀血内結 ：通幽湯 ４．気虚陽微 ：補気運脾湯 ＋ 八味丸 ※全体的に処方には抗癌作用なし → 癌によって起こる病状、証を対処[章]20_1 [タイトル]反胃 食べたものを、時間をおいて、未消化のまま吐く陽虚/寒 ：丁沈透膈散2018/07/11
[章]21 [タイトル]嘔吐 嘔：音あり 吐：音なし 病位：胃 [病機] 実：4つ ：寒、食滞、痰、 肝→胃 虚：3つ ：陰、陽 [弁証][実] １．寒邪犯胃：寒湿→表証(夏の風寒湿)→嘔吐 ：藿香正気散 ２．飲食停滞：臭 ：保和丸 ３．痰飲内阻 ：小半夏湯 ＋ 苓桂朮甘湯 ※苓桂朮甘湯：和漢的な考え方 ※脾気虚→痰飲内阻 ４．肝気犯胃 ：半夏厚朴湯 ＋ 左金丸(辛開苦降) ※別府先生なら逍遥散とか [虚] １．脾陽虚 ：理中丸 ※脾陽虚：嘔吐よりは下痢などがメインになりやすい ２．胃陰虚 ：麦門冬湯（肺と胃の気を下ろす→胃気大逆に使う）[章]22 [タイトル]吃逆 呃逆 しゃっくり 鍼灸なら ：内関、足三里、中脘 [病機]実：3つ ：寒、熱、ストレス 寒：冷たい空気、冷薬 ┬ 胃 → 横膈膜 熱：食べすぎ、風熱 ┘ ストレス ┬→ 直接胃 → 和降× → 嘔吐、噯気 └→ ＋痰 → 胃気上逆 → 呃逆 虚：2つ ：慢性、声が小さい 陰虚 陽虚[弁証][実] １．胃中寒冷 ：丁香散 ２．胃火上逆 ：竹葉石膏湯 ＋ 柿蒂 ３．気機鬱滞 ：五磨飲子 ※半夏厚朴湯などでもOK [虚] １．脾胃陽虚 ：理中丸、旋覆代赭湯、補中益気湯 ２．胃陰不足 ：益胃湯[章]23 [タイトル]泄瀉 泄：泥状便 瀉：水様便 ※cf.痢疾：解説はp.210-211 [病機、鑑別][急性]３つ １．寒湿 ：藿香正気散 ２．湿熱 ：葛根黄連黄芩湯(葛根芩連湯) ３．傷食 ：保和丸 [慢性]３つ １．脾気虚 ：参苓白朮散≒啓脾湯 ２．腎陽虚 ：四神丸 ３．ストレス→脾：痛瀉 ：痛瀉要方 ※痛瀉：痛い下痢[章]24 [タイトル]痢疾 腹痛、裏急後重、赤白の膿血便 ※cf.泄瀉：解説はp.210-211 泄瀉：浅い、軽症 痢疾：深い、重症 [弁証] 病因による分類１．湿熱痢 ：芍薬湯 ２．疫毒痢：コレラ？ ：白頭翁湯 ３．寒湿痢 ：胃苓湯 ４．陰虚痢 ：駐車丸 ５．虚寒痢：クーロン病、潰瘍性大腸炎 ：桃花湯、真人養臓湯 ※陽虚の痢 ６．休息痢 ：連理湯[章]25 [タイトル]霍乱 嘔吐、下痢 [弁証][寒霍乱] ・脱水 ┬ なし ：軽症 ：藿香正気散 ＋ 純陽正気丸 └ あり ：重症 ：附子理中丸(回陽が必要) ※必ず輸液を！！ [熱霍乱] ：蚕矢湯 [乾霍乱] ：玉枢丹(出す薬)2018/07/18
[章]26 [タイトル]腹痛 臍から恥骨結合の範囲 ※cf.１９章「胃痛」 [西洋医学]での病気は実証のことが多い。虚証だと対処しづらい。 [病機] 痛 ┬ 不通則痛 └ 不栄則痛 寒/熱/虚/実 ※虚なら軟、実なら堅 ・実寒－拒按、喜温 ・虚寒－喜按、喜温 ・実熱－拒按、温悪 ・虚熱の腹痛はあまりない [弁証]・寒邪内阻：実寒：寒邪→直中：急、冷えると悪化 ：良附丸 ・湿熱壅滞：実熱：湿熱 ：大承気湯？？、黄連解毒湯、竜胆瀉肝湯 ※大承気湯は陽明腑実、下法で上の熱を冷ます ・中虚臓寒：虚寒：脾胃虚寒 ：小建中湯 ・食滞積滞：食滞：拒按 ：保和丸 ・気滞瘀血 ┬→ 気滞が主 → 場所不定 ：柴胡疏肝散 └→ 瘀血が主 → 場所固定 ：少腹逐瘀湯 cf.五逐瘀湯[章]27 [タイトル]便秘 [弁証] 病因分類をして、さらに虚実に分ける[実証] ・熱秘 ：麻子仁丸 ・気秘 ：六磨湯（「肝鬱→脾」に使う） ※柴胡疏肝散は肝鬱に特化 ・寒による便秘 ：良附丸 [虚証] ・虚秘 ┬ 気虚 ：黄耆湯 ※保険なら四君子湯 ＋ 調胃承気湯 ├ 陽虚－冷秘 ：済川煎 ├ 血虚 ：当帰：潤腸丸 ※保険なら潤腸湯 └ 陰虚 ：増液湯(生地黄、玄参、麦門冬)2018/09/05
[章]28 [タイトル]脇痛 脇肋部の脹痛 [弁証]１．肝気鬱結：脹痛 ：柴胡疏肝散 保険なら四逆散とか ２．瘀血 ：刺痛、固定痛、夜甚 ：旋覆花湯、鼈甲煎丸 ※鼈甲煎丸は肝硬変などに使う ※瘀血の脇痛は西洋医学的に何かがあることが多い：脇部の紫 ３．肝胆湿熱：熱痛、黄疸 ：竜胆瀉肝湯 ※黄疸があったら一応肝炎の検査 ４．肝陰不足：隠痛 ：一貫煎[章]29 [タイトル]黄疸 cf.萎黄 [弁証]１．陽黄：湿熱：ピカピカした黄疸：劇症肝炎疑い (1)熱＞湿 清利湿熱 － 便秘 － 瀉下 ：茵蔯蒿湯 (2)熱＜湿 重だるさ、吐気－ 便溏 － ：茵蔯五苓散 ＋ 甘露消毒丹 ２．急黄：劇症肝炎疑い：出血症状DICを起こしている － 清熱解毒 ：犀角散 ３．陰黄：寒湿：くすんだ黄色 ：茵蔯朮附湯 ※陰黄ではあまり感染はない[章]30 [タイトル]積聚 腹部の結塊 ※腹水はない→ポヨポヨになってしまう 積(癥)：血の集まり：形有り、固定 － 臓病 聚(瘕)：気の集まり：形無し、移動 － 腑病 [弁証][聚証] １．肝鬱 ：逍遥散 ※柴胡疏肝散でも良い ２．食滞痰阻 ：六磨湯 [積証] ※瘀血のステージで分類 初期 １．気滞血阻：気滞だけど固定痛 ：金鈴子散 ＋ 失笑散 ↓ ２．瘀血内結 ：膈下逐瘀湯 慢性期 ３．正虚＋瘀 ：八珍湯 ＋ 化積丸 ※何が虚すかで八珍湯の部分を変える[章]31 [タイトル]膨張 ※水でパンパンは別の病 [弁証][実証] １．気滞湿阻 ：柴胡疏肝散、胃苓湯(脾虚湿阻が強ければ) ※湿なのでやや脾虚もある ２．寒湿困脾 ：実脾飲 ※これは腹水がある場合もある ３．湿熱 ：中満分消丸 ＋ 茵蔯蒿湯 攻下：舟車丸(瀉下したらすぐに中止) ４．肝脾血瘀 ：調営飲 ※肝硬変？ [虚証] ５．脾腎陽虚 ：(附子理中丸 ＋ 五苓散) or 牛車腎気丸 ６．肝腎陰虚 ：六味丸 or (一貫煎 ＋ 膈下逐瘀湯)[章]32 [タイトル]頭痛 脳－髄海 [弁証][外感] ・風寒 ：川芎茶調散 ・風熱 ：芎芷石膏湯 ・風湿 ：羌活勝湿湯 [内傷] ・肝陽上亢 ：天麻鈎藤飲 ※肝火もあり得るが、髄につなげるために肝陽上亢のが説明し易い ・腎虚 ：大補元煎、その他弁証次第 ・血虚 ：加味四物湯 ・痰濁 ：半夏白朮天麻湯 ※参考： 熱痰－栝楼 、 寒痰－半夏 ・瘀血 ：通竅活血湯2018/09/12
[章]33 [タイトル]眩暈 眩：目がくらむ、目が回る 暈：頭がクラクラする [病機] 風、火、痰 or 虚 [弁証]１．肝陽上亢 ：天麻鈎藤飲 ２．肝火上炎 ：竜胆瀉肝湯 ３．痰濁 ：半夏白朮天麻湯 ４．気血虚 ：帰脾湯 ５．腎精不足 ：右帰丸、左帰丸、その他弁証次第 ６．瘀血 ：通竅活血湯 ※西洋の観点から後で加えられたのだろう[章]34 [タイトル]中風 古病名：卒中、偏枯 厥証：後遺症なし 中風：後遺症あり－脳出血/塞栓 風：突然、変化激しく、かかる 症状：倒れる、意識不明、半身不随、口眼歪斜、言語障害 [病因病理] １．場所 ┬ 経絡：軽症－意識あり └ 臓腑：重症－意識なし ※臓腑：脳と五臓 ２．関与する病理素因：虚、火、風、痰、気、血 1)年老体衰 2)精神所傷 → 肝（陰↓、陽↑、気滞瘀血） 3)気虚邪中 － 経絡空虚 － (外来の)風邪→侵入 4)飲食所傷 脾(胃) → 痰 → 気・血・火 [重要な臓腑] 脳、心、肝、腎、脾 [弁証] 中風 － 意識 ┬あり－→ 中経絡 └なし－→ 中臓腑 ┬→ 閉証：邪実 ┬ 陽閉：痰熱盛 ｜ └ 陰閉：痰湿盛 └→ 脱証：陽気脱 [弁証][中経絡] １．絡脈空虚・風邪入中 ：大秦艽湯 ※なぜ絡脈なのかは謎：皮膚のしびれとかあるから絡脈？ ※入中の中：経絡の中 ２．肝腎陰虚・風陽上撹 ：天麻鈎藤飲、鎮肝熄風湯(陽亢が強ければ) ※もともと高血圧がありそう [中臓腑] ３．陽閉 ：安宮牛黄丸、至宝丹、紫雪丹 ４．陰閉 ：蘇合香丸 ５．脱証 ：参附湯 ＋ 生脈散 ～～～～ここまでは救急車～～～～ [後遺症]－鍼灸 半身不随 ６．気虚血滞・脈絡瘀阻 ：補陽還五湯 ７．肝陽上亢・脈絡瘀阻 ：鎮肝熄風湯、天麻鈎藤飲 補陽還五湯でもよい 言語不利 ８．風痰阻絡 ：解語丹 滌痰湯などでも良い ９．腎虚精虧 ：地黄飲子 １０．肝陽上亢・痰邪阻窮 ：天麻鈎藤飲、鎮肝熄風湯 口眼歪斜 １１．風痰阻絡 ：牽正散[章]35 [タイトル]痙証 項背強直、四肢抽搐、角弓反張 [病因病機] 外感：風寒湿 － 経絡 － 気血× ┐ 熱↑ ┬→ 動風 ├ 筋脈失養 └→ 津液× ｜ 内傷：陰↓／血↓ → 虚風内動 ┘ [病理機序] 陰陽失調 → 陽動、陰不濡筋脈 [弁証]１．邪壅経絡、表証あり ：羌活勝湿湯 寒邪↑ [無汗](実) － 剛痙 ：葛根湯 風邪↑ [有汗](虚) － 柔痙 ：栝楼葛根湯 ２．熱甚発痙 － 陽明の熱 ：増液承気湯 ３．陰血(気)虚 ：四物湯 ＋ 大定風珠[章]36 [タイトル]癭病 甲状腺の腫れ [弁証]１．気鬱痰阻：甲状腺－軟らかい、無痛 ：四海舒鬱丸 ※ヨード不足→海藻を取らせればOK ※中国は広いので内陸の方で海藻不足のヨード不足が起こりうる ２．痰結血瘀：甲状腺－硬い、結節有り ：海藻玉壺湯 ※ガンの可能性あり ３．肝火旺盛：バセドウ病 ：梔子清肝湯 ＋ 藻薬散 ４．心肝陰虚：橋本病 ：天王補心丹、一貫煎2018/09/19
[章]37 [タイトル]瘧疾 原因は瘧邪 ※マラリアに似る 寒戦、壮熱、頭痛、発汗 ・一日瘧：1日1回発熱 ・二日瘧：1日2回発熱 ・三日瘧：1日3回発熱 ※マラリアっぽいがイコールではない ・熱瘧：熱邪 ・寒瘧：寒邪 ・癉瘧：ジャングルを通ったあと癉気にあたった ※癉気：ジャングルっぽい所にある邪気 ・労瘧：過労 ・瘧母： [要薬] 瘧疾の要薬 ：青蒿、常山 [病機] 瘧気→半表半裏 ∵発熱/解熱を繰り返すので 悪寒－営分にある 悪熱－衛分にある [弁証]発作の２時間前にのむ １．正瘧：前徹(だるい、欠伸) → 寒 → 熱 → 発作 → 熱↓ ：柴胡截瘧飲 ２．温瘧：陽盛体質に瘧邪 or 夏に瘧邪 ：陽(熱)が強い ：白虎加桂枝湯 ３．寒瘧：陽虚体質に瘧邪 or 瘧邪＋寒邪：陰(寒)が強い ：柴胡桂枝乾姜湯 ４．熱癉：温瘧 －＋→ 精神症状 ：清癉湯加青蒿 ※精神症状がひどければ開竅薬(安宮牛黄丸など) ５．冷癉：寒瘧 －＋→ 精神症状 ：加味不換金正気散 ※精神症状がひどければ蘇合香丸 ６．労瘧(虚証) ：何人飲 八味丸、十全大補湯 ※．瘧母 ：鼈甲煎丸[章]38 [タイトル]水腫 皮下水腫 → 増悪して 胸/腹水 《内経》諸湿腫満、皆属於脾 《金匱要略》腰から上なら発汗、腰から下なら利水 ※現代中医学的に瘀血合併に注意 [病機] 外邪、飲食、労倦、房労 → 肺↓、脾↓、腎↓ → 三焦↓、膀胱↓ [弁証] まず陰陽を分ける
| 病因 | 発症 | 病症 | |
|---|---|---|---|
| 陽水 | 外邪(特に風) | 急 | 水腫 上から下へ、皮膚光沢non pitting edema |
| 陰水 | 脾、腎虚 | 慢 | 水腫 下から上へ、光沢なし、pitting edema |
[陽水]
１．風邪
風熱 ：越婢加朮湯
風寒 ：越婢加朮湯 －石膏 ＋蘇葉、防風、桂枝
２．外傷から湿毒 ：麻黄連翹赤小豆湯 ＋ 五味消毒飲
３．内湿/外湿 ：五皮飲 ＋ 胃苓湯 ※湿 → 脾↓
４．湿が化熱 or （湿＋酒 → 湿熱） ：疏鑿飲子、竜胆瀉肝湯
[陰水]
１．脾陽虚 ：実脾飲 ※脾↓ → 湿
２．腎陽虚 ：牛車腎気丸 ＋ 真武湯
[章]39
[タイトル]淋証
排尿痛 尿：急、頻、痛 －＋→ 少腹痛、腰痛
膀胱湿熱
脾腎虚
[他証との鑑別]
・尿血(痛くない)vs血淋(痛い) どちらも赤い
・尿濁(痛くない)vs膏淋(痛い) どちらも白い
・淋証vs癃閉 ※癃閉を参照
[病因]
・実証
陰部不潔 －下注→ 膀胱気化不利 → いろいろな淋：実淋
飲食、酒 ┐ ↑↑
肥満 ┴→ 湿熱 －下注┘└――――――┐
七情 → 肝鬱化火 → 膀胱に気・火が鬱す ┘
・虚証
久 淋 ┐ ┌ 脾虚 ┬ 気淋
先天精不足 ├ 脾腎虚 ┤ └ 血淋 ←┐
労・房過度 ┘ ｜ └ 腎虚 ┬―虚火――┘
｜ └ 膏淋
└―――――――→ 労淋
[弁証]
[実淋]
１．熱淋 ：八正散
２．気淋 ：沈香散
３．血淋 ：導赤散 ＋ 小薊飲子
４．石淋 ：石葦散
５．膏淋 ：萆薢分清飲
[虚証]
１．気淋 ：補中益気湯
２．血淋 ：知柏地黄丸
３．膏淋 ：膏淋湯
４．労淋 ：無比山薬丸
2018/09/26
[章]40 [タイトル]癃閉 癃：ポタポタ出る：小便不利、点滴短小、緩 閉：無尿 ：小便閉塞、点滴普通、急 [他証との鑑別] 淋証：排尿困難、尿量少ない－排尿痛あり 癃閉：排尿困難、尿量少ない－排尿痛なし ※尿がたまることによる腹痛などはある [弁証]
１．湿熱蘊結 ：八正散
２．肺熱 － 粛降× ：清肺散
３．肝鬱 ：沈香散 柴胡疏肝散でもOK
４．尿路阻寒 － 石、瘀、腫瘍 ：代抵当丸
５．脾気不利 － 昇清×、降濁× ：補中益気湯 ＋ 春沢湯
６．腎元虧虚 － 三焦気化× ：牛車腎気丸
(腎陽虚)
[章]41
[タイトル]腰痛
[ポイント]
・外傷、内傷
・表裏、虚実、寒熱
[弁証]
[実]
１．寒湿 ：苓姜朮甘湯(腎著湯、腎着湯、※３つとも同じもの)or独活寄生湯 ※著・着は同じ字として扱われてた
２．湿熱 ：四妙散 ※肩なら二妙散
３．瘀血 ：身痛逐瘀湯
[虚]
４．腎虚 ┬ 陽↓ ：右帰丸
└ 陰↓ ：左帰丸
[章]42
[タイトル]消渇（しょうかつ/しょうかち） ※しょうかち は伝統的な読み方
多飲、多食、多尿
※糖尿病 尿崩症も入るが、古代では医師の所に来る前に死んでいた
※現代的には尿崩症も消渇で取り扱ってOK
[弁証]
三消 ┬ 上 － 乾き － 肺 － 肺熱 ：消渇方
├ 中 － 空腹 － 脾（胃） － 胃熱 ：玉女煎
└ 下 － 多尿 － 腎 ┬ 陰虚 ：六味丸
└ 陰陽両虚 ：八味丸
※生活習慣病といえば瘀血がある → 山査子などを配合する
[章]43
[タイトル]遺精
遺精 ┬ 夢遺 ┬ 夢を見る ：心火
｜ └ 夢を見ない：腎虚
└ 滑精(遺精)
[病機]
・心腎不交 (心腎)
・湿熱 (肝脾)
・心脾両虚 (心脾)
・腎虚 (腎)
[弁証]
１．君相火動：心腎不交 ：黄連蓮子飲
２．湿熱 ：萆薢分清飲
３．心脾↓ ：妙香散
４．腎虚 ：六味丸、左帰丸、右帰丸、金鎖固精丸
[章]44
[タイトル]耳鳴・耳聾 じめい・じろう
[弁証]
１．急：肝火 － トンネルに入った時の音/潮の音 ＋ 肝火上炎/熱赤津↓(心) ：竜胆瀉肝湯
２．慢：痰火 － もともと痰湿、つまり感、 脾↓ / 痰熱→津↓ ：温胆湯
３．急：風熱 － 風邪症状→突然 ：銀翹散
４．慢：腎精虚 － 加齢 ：耳聾左慈丸（補腎がメイン、耳鳴丸とも呼ばれる）
５．慢：精気不昇－ 出産、過労、精↓、加齢 ：益気聡明湯（補気がメイン） 補中益気湯でもOK
※２はメニエール
※４５は ジーと鳴るような音
突発難聴は肝火or風熱
表証の有無で、肝火or風熱を見分ける
[章]45
[タイトル]痺証
リウマチ関連疾患
[弁証]
邪気：風寒湿熱
・風寒湿 → 収引 ＋ 湿 ┬ 風 － 行痺 ：防風湯
├ 寒 － 痛痺 ：烏頭湯
└ 湿 － 着痺 ：薏苡仁湯
※痛痺、着痺は変形していく
・風湿熱 → 熱 － 熱痺 → 赤・熱・腫 ：白虎加桂枝湯
※大抵はステロイドや生物製剤などでぐちゃぐちゃになってからくる → 腎を傷めている
現代：心腎の障害と瘀血をケア
慢性化 → 気血↓ → 筋肉萎縮 → 鶴膝風 ※鶴膝風：◯痺（きょくひ） ※◯は旭の日が王
2018/10/10
[章]46 [タイトル]痿証 ※萎証でもOK 重症筋無力症のイメージ 昔は亡くなっていた [他証との鑑別] ・痺証 － 痛みあり ┬ 萎縮 － 無力 － 活動↓ ・痿証 － 痛みなし ┘ ※気血津液の巡り× → 筋肉養えず [弁証]
・肺熱 → 津× ：清燥救肺湯 麦門冬でもOK
・湿熱 → 津液散布× ：加味二妙散 茵蔯五苓散でもOK
・気血↓ ← 脾胃↓ ：六君子湯、補中益気湯
・肝腎陰虚 → 骨・筋 ：虎潜丸など証に応じて
[章]47
[タイトル]内傷発熱 ※各所で出てきたまとめ
cf. 外感発熱 第六版ではあるが大したことを書いていない
虚： 気虚、陰虚、血虚、（陽虚） ※陽虚発熱は議論のところ
実： 陽盛 － 火、肝、心、血鬱(瘀)、湿鬱など病態は様々
肝 ┬ 肝火上炎 ┬ 気鬱 － 七情
｜ ├ 食 － 脾土 → 肝火上炎
｜ └
└ 肝陽上亢
※用語 津液が不足して発熱 → 陰虚
発熱なし→ 津液不足
[弁証]
１．肝鬱→熱 ：肝鬱には(四逆散、柴胡疏肝散、逍遥散(肝鬱脾虚血虚)) → 丹梔逍遥散(加味逍遙散のこと)
２．瘀血 ：血府逐瘀湯
３．気虚 ：補中益気湯
４．血虚 ：△帰脾湯 ◎当帰補血湯のが良い
５．陰虚 ：清骨散 ※陰虚は結核のイメージ：骨蒸熱
６．湿鬱 ：三仁湯
[章]48
[タイトル]虚労
虚労 ＝ 臓腑の虚証 ≠ 慢性疲労症候群
[弁証]
（気血陰陽）虚 ＋ 臓腑（心肝脾肺腎）
[気虚]：易疲
・心 ：炙甘草湯 求心もかなり効く
（肝）
・脾 ：加味四君子湯
・肺 ：補肺湯
・腎 ：六味丸・八味丸系
[血虚]：不眠
・心 ：養心湯 帰脾湯、天王補心丹でもOK
・肝 ：(白)芍薬(肝血虚の要薬)：四物湯
（脾） ：帰脾湯
（肺）
（腎）
[陰虚]：血虚＋熱
・心 ：天王補心丹
・肝 ：補肝湯 一貫煎でもOK
・（脾）胃 ：益胃湯
・肺 ：沙参麦門冬
・腎 ：六味丸系、左帰丸
[陽虚]：気虚＋冷え
・心 ：拯陽理労湯 ※胸痺の薬のがよいかも？
（肝）
・脾 ：(附子)理中丸
（肺）
・腎 ：八味丸系、右帰丸